水の音、無形の雫

アニメやゲームのレビュー、日常の様々な事象に関する考察など。C86・3日目東P21a

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排泄戦略しましょうか 『輪るピングドラム』   2011.07.23


第1話を見たときに便所アニメになるのではないかと予感していましたが、どうやら正解だったようなので、以前書いた第1話レビューへの追記として、第2話、第3話を振り返ります。

第一話で最も重要だったのはやはりワンカットだけ挿入された便所の扉でありましょう。

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キッチンやリビングと同じく、可愛らしく飾り付けされた便所の扉は、そこが他の部屋と地続きになった「生活空間」であることを表しています。
この作品の登場人物たちは、当たり前の生理現象として排泄行為を行う「排泄する身体」を有しているわけです。

この作品のキーワードである「生存戦略」とは、「排泄」のことではないかと考えられます。あらゆる生物にとって生きるために必要なこと、それは排泄行為であり、そこには「いつ/どこで」行うかという「戦略」の要素が含まれます。
犬や猫なら「縄張り」という概念によって「排泄戦略」が行われるでしょうし、人間社会でも、例えば学校でうんこしたら「うんこ大王」とあだ名を付けられる、ゆえにうんこは家でしよう、といった戦略が必要にもなるでしょう。
そういった点を踏まえた上でこの作品を見返してみると、最後のトンデモ空間での晶馬の落下シーンも

PENGUINDRUM5.jpg


まるでボットン便所を模しているかのように思えもしますよね。
もちろん、冷蔵庫に掛けられたホワイトボードに書かれた、恐らくはお買い物リストでしょうか、「トイレットペーパー」という単語も見落とすわけにはいかない。

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ここからも、陽毬さまたちがトイレットペーパーを必要としている存在であることが伺えます。――――



第2話では、ファーストカットで便器が描かれるなどしましたが、ピンク色の便器とピングドラムが掛かっている高度なジョークなんじゃないかという推測はさておき、便器及び便所において何らかの記号として表出された「☆」たちの存在については考察の必要があるでしょう。

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この、星の形をした何かしらは、便器の中から出現していることから、「排泄物の匂い/臭い」を表現していると推測されます。
アニメーションにおいて「におい」をどう表現するかというのは一つの課題であり、オーソドックスなかたちとしては、黄色い靄で異臭をあらわしたり、あるいはキャラクター自身にセリフとして語らせたりなどがありますが、星の記号によってにおいを表現するという方法それ自体の面白さとともに、この場合は、星型という綺羅びやかな形状によって「女子便所のにおいはキラキラした美しいものである」という紳士的な嗅覚をも表現することに成功しています。
確かによくよく考えれば、女の子が入ったあとの便所からは芳醇でギャラクシーな香りが漂うでしょうし、まかり間違っても「臭い/汚い」といったイメージにはならないでしょう。

こうした「☆」による演出は、第3話においてその威力を発揮します。
この回では、アバンにおいて水泡の音とともに部屋が水没している様――海の中を漂っているかのような――が描かれましたが

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この海(=水)というイメージは、第2話の便所で描かれた洗面鏡の背景とリンクします。

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つまり、海のイメージ=便所のイメージと言えるわけです。
そしてこの便所のイメージは、OP開けの排泄シーンへと繋がります。

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件の「☆」を飛び散らせながら焦げ茶色の半固形物をひり出すという直視するにはあまりにおぞましい光景が、あろうことか無修正で描かれたことに驚愕するとともに、アニメ表現はここまで進化したのかと感嘆の声を上げずにはいられません。
そしてその際には、この回のキーワードである「カレー」の話もなされていました。
曰く、20日はカレーの日であると。
この時点で既に多くの視聴者は嫌な予感に駆られていたでしょうが、我々はこの後、思い出すのもはばかられるほどにグロテスクな光景を目の当たりにすることになります。

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嫁入り前の女子高生が「カレー」を精製するという絶対子供には見せたくないアブノーマルなプレイです。ニコニコ動画に投稿したら炎上は必至でしょう。
また、このシーンでは、JKのスカトロ描写とともに、ある重要な事項が示唆されています。

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いくつかの食材たちの中でも殊更大量の「☆」を噴出させる「リンゴ」です。
このカットは、便所云々以前に、実は「リンゴ=苹果」こそが「☆」を出現させる要因なのではないかとの疑問を我々に投げかけています。
つまり、「ウン命」という言葉を信奉する苹果ちゃんは、「☆」という記号によって「カレー」とダイレクトに繋がる存在――すなわち「肛門」あるいは「胃腸」のメタファーである可能性が高いと。
そのことは、カレーを排泄している最中に着用していたエプロンに刻まれた「☆」が有力な手がかりとなります。

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この「☆」は、例えばカバンのアクセサリーであったり

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あるいは部屋の中にもオブジェとして登場しており

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苹果ちゃんという存在が、便所のみならず常日頃から「☆」と密接に繋がっていることをあらわしています。
また、排泄したカレーを持ち運ぶ際、電車の中に「カレー臭」が漂うという描写がありましたが、その際に中吊り広告で描かれた「消臭」の様が

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ホースで水をぶっかけながらブラシで擦るというものであったことから、この時の「カレー臭」とは、「便所を掃除するのと同じように洗い流さなければならない臭い」であったことが伺えます。(この、明らかに「パンティ&ストッキング」を模した二人組も、耳に「☆」のイヤリングを装着している点、「パンスト」という作品が「便所/カレーネタ」を乱発したスカトロアニメであった点から、彼女らもまた「便所的」な存在であるとの見解を付け加えておきます)

こうした、「☆」を基点とした苹果ちゃんの便所的身体性を踏まえてみると、この第3話が、自身が排泄した「カレー」をどのようにして「愛する人」に食べさせるかという「排泄戦略」の話であったことが分かります。
ここでは、泥棒猫と遭遇した苹果ちゃんが、素手でカレー鍋を掴むという狂気的な戦略によって一応の勝利をおさめました。
一方で、愛される人である多蕗くんは、「カレー」を受け取る側、つまり「便器」であるのではないか、といった疑問が提示されもしましたが、そこの問題に関してはもう少し様子見が必要でしょう。
なぜならば、我々はまだ、陽毬さまの足元から漂う「☆」であったり

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冠葉と晶馬の着る制服に刻まれた「☆」についての言及を待たねばならない段階なのです。

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あるいは、OPの映像で出てくるアンプルのようなものも

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浣腸剤もしくはデリケートな部分に塗る薬の容器なのではないかと疑われますが、そのあたりもまだまだ先の展開を待つより他ないでしょう。
今のところはまず、「人がうんこ食ってる時にカレーの話すんなよ……」というヌルいツッコミとともに、苹果ちゃんの便所性の指摘に留めておくことにして、これから先どのような排泄戦略が描かれるのかを楽しみにしたく思います。

以上。


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