水の音、無形の雫

アニメやゲームのレビュー、日常の様々な事象に関する考察など。C86・3日目東P21a

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女子便所から発生するドラマ 『放浪息子 第7話』   2011.03.09


「放浪息子」の話題です。
先日放映された第7話がちょっと感動的だったので。

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例えば今期で言えば「君に届け」であったり、広い意味では「まどか☆マギカ」や「IS」なんかもそうなんですが、楽しく視聴している一方で「お前ら自分が思ってることちゃんと人に伝える努力しようぜ」とか「報告・連絡・相談をしっかりしてたらここまで捻じれることもないだろうに」とか「とっととコクって爆発しろよ」などといった無粋なことを思ってしまったりもするわけです。

そんな中、我らが女装系主人公にとりんは、極めてナチュラルに安那ちゃんのケータイ番号を入手するのみならず、突発的に勢い任せで告白してしまいます。

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安那ちゃんの方も、「好きの意味が違うよね」といったようなめんどくさいことは言わず、ストレートにオッケーします。
この、恋愛ドラマにしてはあまりにもあっさりとした、しかしてこの作品はべつに恋愛ドラマではないのだからこれでいいんや的なカップリングの成立過程に、他の作品では味わえない清々しさを感じたものであります。

そうした、にとりんの本能的かつ大胆な「男らしさ」とでも言うべき本質が描かれる一方、そのにとりんに特定の感情を抱くオトメたちと言えば、にとりんと安那ちゃんのカップル成立にショックを受けSAN値が急降下することになります。

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皮肉なことに、「男の子になりたい」と願っていた高槻さんの女々しいオトメ気質が浮き彫りになってしまうのです。

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あるいは、「何もしないから」などと言いながらにとりんを強引に家に連れ込むなど、JKに援助交際を迫るおっさんじみた言動を随所に見せていた千葉さんも、家に引き篭もり気怠げな空気を漂わせます。

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何か妙に色っぽくて思わずブヒブヒと鼻が鳴ってしまいますね。

ここで明らかになったのは、男の子になりたかった高槻さんと、おっさん思考の千葉さんの「女の子らしさ」なわけでありますが――「女の子になりたい男の子と男の子になりたい女の子」などと謳っているわりには、その主人公たちは誰よりも「男の子らしい男の子」と「女の子らしい女の子」だったわけですね――それらを巧みに演出していたのが「女子便所」という空間でした。

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内面の「女」が露呈してしまう二人によって、二度の会談が行われたのが、「女子便所」という聖域(性域)であった点は看過できないでしょう。
この二人は紛れもなく「女」であると宣言すると同時に、男には立ち入ることの出来ない場所――女子便所とは「男性」を排除する隔離空間である――での対話を通して、この二人は(特に高槻さんは)結局はどうあっても「男」にはなれない、どうあがいてもその内に秘めた「女」を消去することはできないという、切なくも無慈悲な現実が突き付けられるわけです。
もちろん、その際に描かれた高槻さんの生理描写を見落とすことなど絶対に出来ません。

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女子便所という隔離空間、そして生理という「女性」特有の現象、これらがこの第七話における最重要ポイントでありました。
本作でシリーズ構成を務める岡田磨里と言えば、生理(またはそれに準ずる)表現を多用することでも有名ですが(一番分かりやすいのはDTB二期)、この、ターニングポイントともなるべき回で高槻さんの生理が描かれたのには大きな意義があったはずです。(今回の話だけでなく今後の展開への布石でもあるのではないか。)

また、「便所」という空間のドラマ性が描かれたのも決して無視できないでしょう。
便所には人を集め、人生を交錯させるだけの魔力があります。(例えば、ある意味この作品の対極にある「君に届け」でも、「便所」での井戸端会議からドラマが展開されていました。)
事実として、OPでは便所における男女のピクトグラムが象徴的に描かれていますし

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にとりんが「変身」するための装置としても機能しています。

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もしかしてこの作品の舞台は学校ではなく便所なのではないかとも思ってしまいますよね。(同じ岡田磨里作品である「フラクタル」の第5話において、クレインが真っ先に取り組んだ仕事が「便所掃除」であった点からも、脚本レベルで便所の重要性が意識されていることが伺えます)


さて、以上のような、便所空間のドラマ性であったり、生理表現に関する新たな議論に目を奪われるのも結構なことなのでありますが、これらの問題と同様に、あるいはそれ以上に大きな関心を引かれるのがアンニュイモードに突入した千葉さんの生活態度についてでありましょう。

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つまり、「誰かの愛人になろうかしら」などと普通は思いつかない極めて性的な発想を口に出しつつくだを巻く千葉さんは、この日(あるいは次の日も)果たしてお風呂に入ったのか否か、この一点をこそ考えたい。
学校辞める宣言して登校拒否するほどに「無気力になった」人間がお風呂に入る気力が沸くものか否か。
また、寝間着に着替えることはあっても、パンツまで履き替えるのはめんどくさいのではないか、すなわちパンツはきかえてない可能性も捨てきれないのではないか、そういった議論をこそ我々は推し進めなければなりません。(ヘタすると便所に行くのすらめんどくさくなってペットボトル排泄を行う可能性さえも。)

と、いったあたりで、上記の千葉さんお風呂入ったのか否か問題をいつものように丸投げして、有意義な論が出てくることに期待しつつ締めたいと思いますが、最後に一つ、にとりんと安那ちゃんの交際にショックを受けてしまった千葉さんですが、彼女の性格(性の格=性欲の強さ)を考えるならば、しばらくして立ち直ったら絶対に「にとりん×安那ちゃん」でオナニーするはずだと断言しておきます。


以上、気怠げに弛緩した千葉さんの画像を貼り付けたかっただけの記事でした。













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スクール水着の隠蔽効果 『夢喰いメリー 第7話』   2011.02.20

テーマ:夢喰いメリー - ジャンル:アニメ・コミック

ペロペロアニメ「夢喰いメリー」の水着回が非常に興味深かい内容だったので、簡単にですがここに書き出しておきたく思います。

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メリーちゃんと言えば、常時むき出しにされた「おヘソ」や、時折覗く「下乳」が印象的でありますが

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この第七話においては、「スクール水着」によって、おヘソも下乳も隠されてしまっていました。

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なんたることか、通常であれば「露出度が上がる」はずの「水着回」で、おヘソや下乳の隠蔽が行われたのです。
これは極めて興味深い現象であると言えるでしょう。
「普段は見えない場所が見える」という、水着回の有用性を無視したこのスク水描写は、「スクール水着」というコスチュームの本質が「露出」ではなく「隠蔽」にあると暗に示しています。
(だいぶ以前に当ブログでスクール水着の有用性を捏造したことがありましたが―参照:http://peace505.blog85.fc2.com/blog-entry-30.html―その時にも『スク水の本質は「隠すこと」にある』などと無根拠な事実をでっち上げておりました。)

メリーちゃんの着用していたスク水は、俗に「旧型」と呼ばれる、スカート状の水抜きが取り付けられたタイプでしたが

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そうした点も、普段はいているミニスカートとの差異を明確にしないための措置、すなわち「露出を抑える」役目を担っていたと考えられます。
こうした、スクール水着による隠蔽の作用を表現するには、確かにメリーちゃんはうってつけのキャラであると言えるでしょうね。
キャラの特性を生かしたよいスク水描写だったと思います。


さて、メリーちゃんは上記の通りでしたが、では、他のキャラたちはどうだったでしょうか。

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そうなんですよね、メリーちゃんが悪質な隠蔽工作に遭うその一方で、他のキャラ(ヤロウを含めて)は、「本来考えうる水着回」の効用通り、その露出度が高められていましたし、あまつさえ、咲に至っては「下乳」まで描かれていました。

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メリーちゃんのおヘソや下乳が隠される一方で、普段は露出していないキャラ(ヤロウを含めて)がその素肌をあらわにしていた、つまり、ここではメリーちゃんやその他大勢の露出度が反転していたわけですね。
このことは、この第7話が、単なる「サービス回」以上の大きな意味を持つ回であることの暗示になります。
メリーちゃん(及び夢路)は、前回のエンギとの戦いやチェイサーとの問答によって、「夢魔と戦う意義」を問われることになりましたが、そうした不安定な心情、「戦いの意味(これまで行ってきたことの意味)が反転する可能性」が、水着による「露出度の反転」によって視覚的に表現されていたのです。
なかなかに面白い演出ですよね。

また、幻界パートにおいては、鬼畜かわいい樹海ちゃんによって

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マラカスを振り回す夢魔の器になっていたショタの夢やキボーが喪失させられ、無気力な人間へと「反転」する様が描かれていました。
そして、これまでのように「夢路やメリーが乱入する」というお決まりの展開は描かれず、「物語」としても転機を迎えていました。
こうした、キャラクターの心境(戦いの意義だけでなく、メリーちゃんの「デレ」への移行や咲のフラグ建てなどもありました)に加えて、物語の方向性や夢魔という存在の認識の転換点を、「水着回」というある種の「制約」の中に収めてしまおうという挑発的な姿勢、「サービス回」の有意義な活用は高く評価したいものです。

最後に、もう一つ示唆的な要素を付け加えておくと、勇魚や咲や部長がその素敵なおヘソや下乳を露出していた一方、邪気眼持ち疑惑のかかる千鶴さんは、白スクというワンピースタイプの水着を着用していました。

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メリーちゃんと同じようにおヘソや下乳が隠蔽された千鶴さんは、果たして何者なのか、“どちら側”の人なのか……という話は近いうちに答えが出るでしょうから、我々が今考えるべきなのはやはり、「メリーちゃんが海に入らなかったのは泳げないからではなく生理が来ていたからだ」という事実無根な風説の検証でありましょうか。
「スクール水着のアイデンティティは“名札”にあるのではないか。『橘』という姓の印字された、“他人のスク水を着る”という行為にはどのような意味が内包されるのか」といった議論と併せて、誰か語ってくれる人いないかなーと丸投げしておきます。

いやほんと、単なる「サービス」以上に語るべきことの多い、ちょっとした感動すら与えられる有意義な回でした。

以上。













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これは魔法少女ですか? はい、ゾンビです―特集・魔法少女まどか☆マギカ―   2011.02.12


とりあえず今期は「魔法少女まどか☆マギカ」を語っておけばオッケーな風潮らしいのですが、かと言って特に語るようなことも思いつかないので、今最も注目を集める淫獣、キュゥべえ氏にインタビューを敢行しました。
氏の口から明かされる衝撃の真実とは如何に!?

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――本日はよろしくお願いします。

キュゥべえ(以下QB):願いごとは決めたかい?

――いえ、決めてませんが……というか私男ですけどそれでも大丈夫なんですか?

QB:大丈夫だ、問題ない。そもそも「魔法少女」というのが一つの「性」なんだよ。だから「中の人」が男か女かは関係ないんだ。

――なるほど、そのあたりは当ブログでも「これはゾンビですか?」のレビューで取り上げていますね。 参照:http://peace505.blog85.fc2.com/blog-entry-58.html

QB:まさにそういうことだね。この世には男と女と魔法少女がいるんだよ。

――第六話において「魔法少女」は実質的にゾンビであると判明しました。

QB:肉体的にはそうだね。でも魂はちゃんとソウルジェムに収納されているよ。

――つまり、「ソウルジェムが本体」ということですよね。

QB:そうそう、肉体が壊されても死なないし、年も取らないし、中出ししても妊娠しないし、便利でしょ?

――やはり肉体が死んでいる以上彼女たちは生理来ないんですね。

QB:そうだよ。生理痛に悩まされることもないし、中出ししても妊娠しない。

――やけに中出しに拘りますね。

QB:中出しできない女なんてクズだよ。

――話が逸れましたが、ソウルジェムが本体であるというのは非常に興味深い事実ですよね。魔法少女、というか「女の子の本体はどこにあるのか」問題にも直結します。

QB:そうだね。ぼくなんかは、どうして人間がそんなに魂のありかにこだわるのか理解できないんだけど、そういうのを気にする人にとっては重要な問題かもしれないね。

――「本体」であるところのソウルジェムに溜まった「穢れ」をグリーフシードに移してキュゥべえさんが食すというシーンがありましたが。

QB:まあ、ぼくの主食だからね。

――あれはつまるところ、排泄物を食べているとみて間違いないですよね?

QB:そういうことになるね。君たちだって美少女のおしっこ飲んだりするでしょ?それと同じだよ。

――なるほど、「ソウルジェム」という言葉のおかげでややこしい感じになっていますが、実質的にはパンツに蓄積された色々な分泌物(おしっこや体液など)を抽出して食すというのと同じことなんですね。

QB:何も間違ってないね。

――つまりソウルジェムはパンツであるということですよね。そして「本体」でもある。これは先ほど述べた「女の子の本体はどこにあるのか」問題にとって一つの解になり得ます。

QB:女の子の本体はパンツであるということだね。だいたい合ってるんじゃないかな。

――キュゥべえさんが執拗にまどかを勧誘しようとするのはやっぱりまどかのおしっこが美味しそうだからでしょうか?

QB:彼女はすごくいい膀胱を持ってる予感がするんだよね。

――何とかしてイヌカレー空間に連れ込もうとするその姿は女子高生に援助交際を迫るおっさんのようにも見えます。

QB:あの女、妙にガード固いんだよね。おかげでぼくが、にとり君を家に連れ込もうと必死になる千葉さんみたいな感じになってるよね(笑)

――ところで、ソウルジェム(=本体)に溜まる「穢れ」というのは、排泄物以外の意味も含まれている気がするのですが。

QB:なかなか鋭いね。実は「穢れ」には「性的な穢れ」という意味もあるんだ。

――具体的に言うと?

QB:どう言えばいいんだろう。これは魔法少女に限った話ではないんだけど、得てして美少女というのは穢されやすい存在なんだよね。コミケなんかに行けば分かると思うけど、それはもう大量の精液を浴びてるよね。

――確かに、例えば「なのは」なんかは、並みのAV女優よりも圧倒的に経験豊かですね。

QB:そこで一つ問題が出てくるんだ。いわゆる「薄い本」であんなプレイやこんなプレイを行って「穢されて」いるなのはやフェイトの「肉体」は、果たして本物なのだろうか、という問題がね。

――「二次創作のキャラ」でオナニーした場合「そのキャラで抜いた」と言えるのか否か、という話でしょうか。

QB:そういうこと。そこで重要なのが「魂」の存在なんだ。つまり、「肉体」はそれぞれの薄い本で別々のものだけど、「魂」が共有されていると考えるんだよ。「なのは(のように見える肉体)」には確かに「なのはの魂」が宿っているんだ。だから、肉体的には例え綺麗になったとしても、魂にはどんどん「性的な穢れ」が溜まっていくんだ。そういうのを是正するために考案されたのがソウルジェムシステムってこと。

――なるほど、「穢れを浄化しやすいようにカスタムされた本体」を別に用意しておく、ということですね。

QB:すごく画期的なシステムでしょ?さっき君は「ソウルジェムはパンツである」って言ってたけど、人間の身体よりもパンツの方が洗濯しやすいのは明白だよね。

――確かにそう言われると便利なシステムですね。まどかや杏子さんが嫌悪感を抱いていた理由が分からなくなってきました。

QB:そうだよね。人間ってのは意味分からないよ。まどかだってさ、どうせ「穢れ」はあとから取れるんだからさっさとヤラせてくれたらいいのに。おっと、今のはオフレコでお願いね(笑)

――そういえば、魔法少女になって魂がソウルジェムに移されると「肉体」は年を取らないんですよね。

QB:そうだよ。そもそも「魔法少女」は年を取らない存在なんだけどね。

――と、言いますと?

QB:だってそうじゃない、年食ってババァになってしまったらもはや魔法少女じゃなくて「魔女」じゃない。

――ということはですよ、もしかしてイヌカレー空間で暴れている「魔女」というのは……

QB:みんなそろそろ気付いてると思うけど、魔法少女の成れの果てさ。ここでさっきの「穢れ」の話に戻るけど、「穢れ」には「年齢」というのも含まれるんだ。

――その「穢れ=年齢」が蓄積された存在であるところの「魔女」が殊更グロテスクに描かれているというのは何か挑戦的な感じがしますね。

QB:成人した女なんてもはや老害でしかないってことだよ。まあ、中には老女萌えなんていう意味不明な概念を確立させようとしてる人もいるみたいだけどね。

――ここまでの話を聞く限りでは、ソウルジェムやグリーフシードのシステムは我々が普段当たり前に行なっている「不都合な事実の削除」を可視化しているように思えますね。

QB:そうなんだ。多くの人が無意識に行なっている、色んな意味での「穢れ」を取り除く作業、それを目に見える形で提示したのがこの「魔法少女まどか☆マギカ」という作品なんだよ。

――なるほど、なんとなくこの作品の方向性が見えてきましたね。本日はありがとうございました。

QB:で、願いごとは決めたのかい?





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